株式会社の設立登記

法人(会社)を作るには設立登記が必要ですが、ご自身のお仕事が忙しいとか、設立登記が必要と言われても方法が分からない、なにから手をつけたらいいかわからない、ネットで検索してそれらしい記事は見つかったけれど本当に自分でできるか不安だ、信頼できる士業がみつけられないなど、なかなか手続きを進められないことも多いようです。

また、設立登記を行う前提としてそもそもどの士業に相談したら良いか分からない、結局設立登記をするのにトータルでいくらかかるのかがわからない、仮に士業に依頼した場合にどこまでの手続をしてくれるのかがわからない、ネットで探しだした士業に問い合わせてみたがそれはちゃんと士業本人が手続きしてくれるのか、事務員任せにされてしまうのではないか。など、手続きを進めたくても判断しにくい状況も多々あります。

当事務所にご相談をいただくケースでも、書類自動作成サービスを使用してご自身で手続しようとしたができなかったとか、法務局に足を運んだがなにをしていいかサッパリわからなかった、簡単にできるからと言われて自分でやろうとしたが思った以上に手間がかかった、書いている書類の意味がわからずこのまま形だけ書類を整えて手続を進めていいとは思えなかったなど、様々な原因で設立登記を進められない方がいらっしゃいます。

こんなお困りごとはありませんか
  • 副業の売上が増えてきて、フリーランスから法人化したいけど、どこに相談したらいいかわからない
  • 会計ソフトを運営している会社から「自分で法人化できる」とアナウンスがあって自分でやろうとしたけど、なにを書いているのかわからずこのまま手続を進めてよいのかと不安になった
  • 法人化を進めたいけど、仕事が忙しくなかなか書類を作る時間が取れない
  • 法人を作りたいけれど、自分では法務局に行きたくない
  • 先輩から勧められて法人化したいけど、なにから手をつけたらいいかわからない
  • 信頼できる専門家に相談しながら法人化の手続きを進めたい
  • 税理士さんから、法人化したほうが税金上のメリットを受けられると言われたが、税理士の先生には懇意にしている司法書士がおらず「自分で設立登記を依頼できる司法書士の先生を探してください」と言われた
  • 行政書士さんに定款を作ってもらったけど、「登記手続はご自身で司法書士を探して依頼してください」と言われ、どの司法書士に依頼したらいいか分からない
  • いまの会社でやっている事業のうちの1つを、子会社を作ってその子会社で行いたい
  • これから事業を拡大していきたいので、早目に気軽に相談できる司法書士と繋がりたい
目次

そもそも設立登記はどのような手続きなのか

ところで、設立登記を行うためには、どのような書類を作り、どんな手続きを進めていくことになるのでしょうか。
手続きの概要、要件、完了までの流れなどをそれぞれ説明します。

STEP

定款の作成

 「会社の基本ルール」である定款を作成します。
当事務所にご依頼いただく場合、まずはヒアリングシートをお送りいたします。
そちらに必要事項をご記入後ご返信いただき、その内容をもとにわたくしで定款を作成し、ご提案させていただきます。

STEP

定款の認証

作成した定款を公証役場というお役所で認証(簡単に言うと「内容確認」のこと)をしてもらいます。電子データで定款を作成することで、ご自身が紙で定款を作成した場合と比較して、4万円の実費を節約できます。

STEP

出資金の払込

会社の資本金を払い込んでいただきます。通常、代表取締役となる方の個人口座への払い込みを行います。

STEP

登記申請

法務局に対して登記申請を行います。会社は「登記をすることで成立」します。この登記手続が完了するまではその会社が実在していることを証明する(法人口座を作ったり法人名で取引する)ことはできません。

この登記申請をした日が「会社の創立記念日」となります。

当事務所の解決事例

当事務所では、設立登記につき、これまでに様々な状況のお客さまよりご依頼をいただき、業務にあたってまいりました。

事例1「自宅開業した方の法人化をサポートしたケース」

これは非常に多くご依頼をいただくパターンですが、コストを抑えるために自宅開業をしてスタートし、徐々にお客様が増えてきて税理士の先生から法人化することを勧められたお客様の法人化をサポートさせていただきました。最初は、ご自身で調べながら手続されることも考えられたそうですが、その分の時間をプライベートやご自身の事業に使いたいと考えられたようです。
当事務所へご依頼いただき、この日をどうしても設立日(会社の誕生日)にしたいと考えられていたその日に、予定どおり法人化することができました。

事例2「特定創業支援等事業制度を利用されたお客様の設立登記を行ったケース」

かねてから個人事業主として営業されてきたお客様の中に、将来的には法人化したいが、法人化を急いでいるわけではなく自分自身も様々なことを学んでから法人化したいとおっしゃられているお客様がいらっしゃいました。そこで、わたくしは地元の商工会議所で開催されている創業セミナー及び創業ゼミを受講して、「特定創業支援等事業の支援を受ける」ことをオススメいたしました。
多少時間はかかりますが、この支援を受けることで、法人化後の資金調達の際に様々な優遇が受けられますし、また、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を取得することで、設立登記の際に国に収める税金がなんと『半額(株式会社の場合、15万円が7万5000円に)』になります。
わたしのアドバイスを受けたお客様はその後、地元の商工会議所でのセミナーを受講されて、無事通常よりも安価に設立登記を完了することができました。

 *特定創業支援事業の受講完了には、通常1ヶ月~3ヶ月程度時間がかかります。
  同事業の利用をご希望されるお客様は、特に早めのご相談をオススメいたします。

事例3「子会社を設立したケース」

いま会社で行っている事業のうちの1部門を行う子会社を作りたいとのご相談。この場合、現在事業を行っている会社が出資者となるため、個人の方が出資をして会社を作る場合とは必要書類などが異なり、また、事業目的などの記載にも注意が必要な旨を説明したところ、難しそうなので全てまとめてお願いしたいとご依頼いただきました。留意点に注意した上で適切な定款を作成し、無事に依頼者様のご希望どおりのスケジュールで登記は完了いたしました。

事例4「外国法人が日本国内に子会社を設立したケース」

とある外国法人が日本国内で継続して事業を行うにあたって、新たに日本国内に子会社を作りたいとのご相談。この場合、外国法人が出資者となるスキームと、関係者である日本人が出資者となり法人を設立した後その株式全てを外国法人に譲渡するスキームがあり、双方のスキームについてメリット・デメリットを含めご説明させていただき、お客様のご希望内容に沿うスキームを選択した上で、外国法人の子会社設立登記をご依頼いただきました。関係者の中に、外国人、外国関係者がいらっしゃることで通常と異なる書類が必要ではありましたが、無事にご依頼者様のご希望どおりの登記手続を行うことができました。

法人化(設立登記)のこと、当事務所に相談してみませんか

設立登記の手続きをご自身で進めようとしても、なかなか難しいとか、時間が取れないという状況も多いのではないでしょうか。
当事務所では、設立登記手続きに関するサポート業務を提供中です。ご依頼いただきますと、登記に関する手続は全て弊所におまかせいただくことで、ご自身の事業に関する「ヒト・モノ・カネ」について専念することができます。特に、創業期は営業や採用に多くのリソースを割く必要があると思いますので、面倒な登記手続は全て当事務所におまかせいただければと思います。ご自身の事業に専念しつつ、法人化の手続きをスムーズに進められる、プロが関与することで確実に手続が完了するためネットの記事とにらめっこしながら本当にこのとおりやって正しく法人化できるのか。などと悩まされずに済む、など様々なメリットがあります。

法人化でお悩みやお困りの方は、当事務所に一度ご相談ください。初回のリモート相談(30分以内)は無料です。

当事務所の特徴

代表司法書士が全ての手続きを担当

当事務所は、代表司法書士であるわたくしが全てのやりとりを担当させていただきます。一度説明したはずの内容を担当者が変わったがために、また説明しないといけないなどといった手間は一切発生しませんし、お問い合わせにもスピーディーに回答することができます。また、手続を進めていく中で生じた疑問点などに関しましては、いつでも何度でも代表司法書士に直接ご相談いただけます。

様々なツールでのご連絡が可能

 メールや電話のみならず、ChatworkやSlackでのご連絡のやり取りも可能です。
 *資料の共有やリモート相談などとの連携が容易なため、原則として上記のチャットツールでのやりとりをお願いしております

法人化後に必要となる他士業の先生との連携も可能

法人化後に必ず必要となる税務申告をご担当いただける税理士の先生や、法人化に伴う社会保険の適用及び人を雇う際に必ず必要となる雇用保険などの手続を相談できる社会保険労務士の先生など他士業の先生のご紹介が可能です!

いずれの先生方も、事務所は大阪ですがリモート対応のノウハウをお持ちで全国に顧問先をもっていらっしゃる税理士・社会保険労務士の先生ですので、他の都道府県から弊所にご依頼いただいたお客様でもそのままご紹介可能です。

また、行う事業の内容によっては、登記完了後に許認可を取得する必要がございますが、許認可をご依頼することができる行政書士の先生とも連携してスムーズに許認可までの手続を完了することが可能です!

お繋ぎする士業の先生方とは、どなたとも「顔の見える関係」で繋がっておりますので、スムーズに連携ができます。先生方のご年齢は、わたくしと同じく30~40代と士業の中では若手のため、フットワークが軽く、わたくしと同様にメールや電話のみならず各種のチャットツールでご連絡をとっていただけます。

加えて、会社名というブランドや会社のロゴを守るために商標登録をご希望される場合には、弁理士の先生のご紹介にも対応しております。

もちろん、上記いずれのご紹介を行った場合でも、紹介料は一切いただいておりませんので、安心してご相談ください。

完全オンラインでの設立登記手続にも対応

代表取締役となる予定の方が「マイナンバーカードをお持ちで署名用電子証明書のパスワードを失念されていない」ことが前提ではありますが、弊所からお送りするPDFデータに指定のアプリを使用し電子署名していただくことで、捺印書類の郵送のやりとりなく設立登記手続を完了することも可能です。

*この場合でも、印鑑証明書などの捺印書類以外のご提出は必要です。また、犯罪収益移転防止法という法律の関係でお客様のご自宅の住所へ弊所から依頼内容等を確認する文書を送付させていただきます。

設立登記のご依頼に含まれる業務内容

・使用予定の会社名でその事業を行うことがすでに登録されている商標の侵害にあたらないかの簡易調査
 *有料で、別途、商標の専門家である提携先の弁理士に正式調査をお願いすることも可能です(調査報告書つき)。
・ご提出いただいた会社の事業目的案の精査及び登記する目的内容のご提案
・御社の組織体制に最適な内容の定款のご提案
・会社で使用するハンコ(「法人実印」「法人銀行印」「法人認印」の3点セット)の発注代行
 *発注代行に関して、一切手数料はいただいておりません。
・電子定款の作成及び公証役場での認証
・登記申請書の法務局への提出 
この際に、同時に会社実印の法務局への印鑑登録(「印鑑届出」といいます)も行います。
・登記完了後の法務局での登記簿謄本及び印鑑証明書の取得
・登記完了後に、会社で保管すべき各種書類(株主名簿など)の作成
 *登記完了後の税務署への法人設立届等といった各種役所への届けや、法人名義での銀行口座の開設は、お客様ご自身で行っていただく必要がございます。

設立登記の料金

株式会社294,800円~329,800円(税込、実費込)
(資本金が「2,145万円未満」の場合)
合同会社184,800円(税込、実費込)
(資本金が、「859万円未満」の場合)

上記費用には、実費(代行して発注させていただく会社のハンコと登記手続等にかかる税金)が含まれています。

ご自身で手続される場合でも、登録免許税などの実費(株式会社:約20~22万円、合同会社:約7万円)は必ずかかります。

*特定創業支援等事業制度の証明書を利用する場合には、総額はさらに下がります。別途、お問い合わせください。

支払時期に関しましては、登記申請前のタイミングでのお支払いをお願いしております。

2024年12月2日から、定款認証手数料の引き下げが行われました。
これにより、次の全ての要件に該当する会社の定款認証の場合、その手数料が、約1万7,000円となりました。
 ① 資本金の額が、100万円未満であること
 ① 発起人が自然人で、かつ、3人以内であること
 ② 発起人が設立時発行株式の全部を引き受けること
 ③ 設立当初から取締役会を設置していないこと

対象地域

日本全国対応可能です!郵送やビデオ電話ツールを使用することで、直接面談することなく手続を進められますので、関西圏以外の方からのご依頼でも別途交通費等の追加費用が生じることはございません。遠くは、奄美大島のお客様からご依頼いただいて登記手続を完了した実例もございます。

ご依頼の流れ

STEP

お問い合わせ

・まずはお気軽に、お電話かお問い合わせフォームからお問い合わせください。
・お問い合わせの際には、リモート面談希望日時を3つほどご記入いただけますと幸いです。

STEP

初回リモート面談・ヒアリング

・初回のリモート面談の費用は、無料です。
・お客様の現在の状況をお伺いした上で、サービス内容をご説明させていただきます。

STEP

ご依頼・ご契約

・ご依頼いただける場合、クラウドサインにて正式に契約を締結します。
・契約締結後、お客様にお決めいただきたい事項をまとめたヒアリングシートをお送りいたします。

STEP

類似商号調査

不正競争防止法に抵触しないよう同一/類似商号を調査します。

STEP

会社実印の作成

上記の類似商号の調査に問題ないことを確認の上、社名のハンコを発注いたします。

STEP

個人印鑑証明書の取得及びデータのご提供(お客様

発起人・役員ごとに1通ずつ取得ください。(重複する場合は1通で構いません)
*印鑑証明書については、コンビニでの取得も可能です。詳細につきましては、こちらをご覧下さい。
*同時にご本人様確認資料(マイナンバーカード表面や運転免許証の両面など)の画像データもご提供ください。

STEP

定款の作成及びご捺印書類一式の発送

・お客様からご提出いただいたヒアリングシートを元に、定款を作成いたします。
・定款内容をご確認いただき、問題なければ、ご捺印書類一式を作成し、お客様及び発起人の住所へ発送いたします。

STEP

ご捺印書類のご返送(お客様

届いた書類にご署名・ご捺印の上、印鑑証明書とともにご返送いただきます。
*完全オンラインでの手続の場合には、PDFデータをお送りし、それに電子署名をしていただきます。詳細については、こちらをご覧下さい。

STEP

定款の認証

会社の本店所在場所を管轄する公証役場にて、わたくしが定款の認証を行います。

STEP

資本金の払込(お客様

定款で決定した、資本金の額をお客様個人(発起人)の口座へお振り込みいただきます。
加えて、入金記録のわかる通帳の写し又は画像データをご提出いただきます。

STEP

登記費用のお振込(お客様

登記申請日までに、登記費用(報酬及び登録免許税などの実費の総額)をお振込ください。

STEP

登記申請

オンラインにて登記申請を行い、弊所から法務局へ必要書類一式を郵送いたします。

STEP

登記簿謄本及び印鑑証明書の取得

登記完了を確認後、法務局にて登記簿謄本及び印鑑証明書を、各3通ずつお客様に代わって取得いたします。

STEP

完了書類一式の発送

お客様のご希望の住所へゆうパックにて、登記完了書類一式とハンコセットをお送りいたします。

ハンコの発注代行をご依頼いただいた場合には、社名の電子印鑑をプレゼントいたします。

ご覧いただきますと分かるとおり、直接、事務所にご来所いただくことなくハンコを押すだけ(電子署名をするだけ)で、全ての手続を完結することが可能です!

法人化に関するよくあるご質問

会社を作る際には、どんな名前をつけても問題はないですか?

 原則として、制限はございません。使用する文字に制限はありますが、記号(「&」や「、」「・」等)は会社名のはじまりや終わりには使えない、など。お客様が会社名を決定される際には、そこも含めて、内容をチェックしてアドバイスさせていただきます。

 ただし、使おうとしている社名が商標登録されている場合には、法人化後に法的紛争に巻き込まれる危険性がありますので(商標登録されていても、一切その名前を使うことができないというわけではありません)、場合によっては、お考えの社名を変更することをオススメさせていただいております。

 その他、商号の決定にあたっては、様々な規制に注意しなければなりません。詳細については、こちらをご確認いただいた上で、司法書士にご確認ください。

会社の創立記念日を祝日にしたいのですが、可能ですか?

残念ながら、できません。設立登記の申請は、法務局が開いている日にしかできないところ、法務局は、祝日に開庁していないためです。

同様の理由で、土曜日・日曜日にあたる日を、会社の創立記念日とすることはできません。

縁起やキリがいいため、「1月1日に会社を設立したい」というお客様は毎年多くいらっしゃいますが、同様の理由でその日を会社の創立記念日(設立登記の申請日)とすることはできません

バーチャルオフィスを本店にしようと思っていますが、なにか不具合はありますか?

 ホームページ上で「登記OK」などと書いているバーチャルオフィスの場合、そこを登記簿上の本店とすることは可能です。しかし、会社名義の口座開設時にそれを金融機関側でマイナスの判断材料とされる可能性があります。わたしのクライアントでも、バーチャルオフィスを本店としていたことが口座開設を断られた原因と思われる方もいらっしゃいました。*口座開設を断られた場合でも、金融機関側はその理由は教えてくれません

 また、会社宛の郵便物は全て登記されている本店に届きますので、ご自宅への転送する際に転送手数料などがかかる場合には、その手数料分のランニングコストが増える危険性があります。加えて、会社宛の郵便物には転送不要で送られてくるものもあるため(実際にその会社がその住所に存在しているかを確認する目的のため)、転送対応のみで営業することは事実上難しいところがあります。

 加えて、許認可を要する事業の場合には、事務所要件が定められている場合があります(有料職業紹介事業など)。そのようなケースで、バーチャルオフィスを本店として、会社を設立してしまうと、その後すぐに許認可をとるためにリアルオフィスを借りて、そこへ本店移転する必要が発生する可能性がありますので、許認可を要する事業を行う場合には、注意してください。

最短どのぐらいで法人化ってできますか?

公証人の先生による定款の認証のスケジュール確保の問題もあるため(事前に作成した定款案をご確認いただいた上で、予約が必須)、通常、短くとも10営業日程度はお時間を要すると考えていただければと思います。

また、会社の設立にあたっては、お客様にお決めいただく事項も多くありますので、そのような事項がすでにお決まりの段階でご相談いただければ、より短期(例えば、5営業日以内)で設立することが可能です。しかし、内容を確定するのにお時間がかかるようでしたら、より長い期間が必要となります。

将来行うかもしれない事業は全て目的として記載しておくほうがよいですか?

 定める目的の数に上限はありませんので、将来行うかもしれない事業を全て記載することは可能です。しかし、わたし個人としては、記載する目的を増やしすぎることは、オススメいたしません。

 なぜならば、登記簿は誰でも取得できる資料であり、取引先や銀行に提出することが多い資料なのですが、登記されている目的の量が多いと何に力をいれている会社かわかりづらくなってしまうからです。

 また、昨今、マネーロンダリングに対する規制の強化などの影響で、登記されている事業と実際行っている事業が一致しているかについての銀行のチェックの目は厳しくなってきています。その視点からみても、実際に行っていない事業を将来行うかもしれないからといって登記してしまうのは、オススメできません(通常、口座開設時には、登記簿と一緒に事業計画書も銀行に提出しますので、そこで不審がられる危険性もあります。)
 加えて、全く行っていない事業が登記されていると、融資を受ける際、銀行側から悪い印象を持たれかねません

 そのため、弊所では登記する目的の数は、通常3~5個、多くても10個程度にすることを推奨しております。

役員や株主は最低何人必要ですか。

法律上、役員や株主の最低人数は定められていません。実務上は、出資者の方がお一人で、その方が株主と代表取締役を兼ねた会社を設立することも多いです。

子会社を作るにあたっては、親会社の定款をそのまま流用してもよいですか。

そのまま流用するべきではないと考えます。なぜならば、親会社の会社の規模と子会社の規模は当然異なり、会社の規模感や株主構成などによって適切な定款は異なるためです。
子会社の株主は親会社のみであることから、株主の数が多くその属性も様々である親会社と比べると、一般的に比較的シンプルな定款を作成する形で対応することが望ましいと考えます。

友人や親から借りたお金を出資して会社を作れますか?

あたらしく作る会社で使う資金として払い込むお金(法律上、「資本金」といいます)は、自己資金である必要があります。
 他の人(第三者ではなく、親や友人も含む)から出資を受ける場合には、その方も株主となり、議決権(会社の経営に関与する権利)をもつことになりますので、ご注意ください。

資本金はいくらにすればいいですか?

 どのような事業を行う予定でどのようなことにいくらお金をかけるかによって、適切な資本金の額は異なりますので、一概にいくらが良いということはお答えすることは難しいというのが正直なところです。
 ただ、一般的には、100万円~300万円を資本金として設立される方が多いという印象です。当事務所では、上記の一般的な金額を参考に、事業に必要な経費や手元資金の状況なども勘案した上で適切な金額をお客様にお決めいただいております。
加えて、法人として事業を行うにあたり許認可が必要な業種の場合、資本金の額が○○万円以上と一定額以上の資本金額であることを要件として求められることもあります(一例として、一般建設業の許可を取得する場合500万円以上)ので、資本金の額を決定する際には、その点にも注意が必要です。
 さらに、最近ですと1万円や10万円といった少額の資本金で法人化した結果、後から融資をうけるにあたり、銀行さんから「資本金が少なすぎるので追加してください」と言われたという話も聞きました。「融資にあたって資本金がいくら必要なのか」というのは、各金融機関側の判断によりますので一概には言えませんが、私見といたしましては、100万円程度の資本金があれば、銀行さんから資本金の額を理由に融資を断られること(もちろん、融資を受けようとする額によります)は少ないのではないかと思います。

資本金1円でも法人化できると聞きましたが、本当ですか?

 法律上は、資本金1円で法人化することは可能です。しかし、そもそも資本金というのは、会社の運営に必要なお金として、個人から法人に対して出資するお金です。そのお金が、1円しかないと法人は自己資金ではなんら事業を運営することができず、仮に代表取締役の方がご自分の手元資金で会社運営の費用を賄った場合には、そのお金は会社が社長から借りたお金(正式には、「役員借入金」といいます)となってしまい、原則としてのちのち会社は社長に対してそのお金を返済する必要が発生します
 ちなみに、決算書上で、資本金に比べてこの役員借入金が大きくなっている場合には、銀行に融資を申し込む際などにも悪影響がでる可能性が高いです。

友人や親から出資してもらって会社を作る場合、いくらまでが許容範囲内ですか?

金額の大きさではなく、会社全体の資本金として出資する額に対する割合で判断していただくほうがよろしいかと思います。なお、当事務所では、ご出資いただく金額については、出資額全体の3分の1未満とすることをオススメしております。
 (e.g.300万円を資本金として会社を設立する場合、友人や親からの合計で100万円未満)
 そうしておけば、基本的にご自身で会社に関する全ての事項を決定して事業を進めていくことができるためです。

出資金は、会社名義の口座に対して振り込めばいいですか?

会社名義の口座は、登記完了後でないと作成することができませんので、設立登記が完了する前の段階では、個人名義の口座にお振込いただく形となります。

出資金を払い込む予定の口座の支店が近くになく、通帳が記帳できません。出資金が入金されたことのわかるインターネットバンキングの画面キャプチャーでもよいですか?

はい。インターネットバンキングの画面キャプチャーをお送りいただければ問題ございません。


なお、その場合には、次の事項が確認できる部分をキャプチャーの上お送りください。

  • 銀行名、支店名及び口座番号
  • 口座名義人
  • 資本金相当額が入金されたことが確認できる明細

また、通帳は手元にあるけれども、記帳できる支店がない場合には、①及び②については通帳の画像データでご提供いただき、③についてはインターネットバンキングの画面キャプチャーをお送りいただく形でご対応いただいても問題ございません。

自宅とは別でテナントを借りてからでないと、法人化はできないのですか?

法人化にあたって、自宅とは別でテナントを契約することは必須ではありません。事実、ご自宅の住所を会社の本店として法人化されるお客様も多くいらっしゃいます。ただし、賃貸物件にお住まいの場合には不動産屋さんや大家さんに事前に自宅を本店として良いかご確認いただくことをオススメいたします。また、ご自身が所有されるマンションを本店とする場合でも、当該マンションの管理規約で商業利用が禁止されている可能性もございますので、事前に管理規約のご確認をオススメいたします。

最近、会社名義での銀行口座の開設が難しくなっていると聞きましたが、どこかオススメの銀行はありますか?

 他の金融機関での口座開設が難しかった場合には、ネット銀行での口座開設をオススメいたします。メガバンクなどの大きな銀行は、特に会社名義での口座開設が難しくなっているという噂は、わたしも最近良く耳にします。具体的には、GMOあおぞらネット銀行やpaypay銀行、楽天銀行等で口座開設される方が多いようです。
 ネット銀行に追加して口座開設を希望される場合には、法人を設立されたばかりの方は、まず、会社の本店の近くの信用金庫や信用組合に申し込むのがよいでしょう。以後の資金調達を考えている場合には、大きな銀行よりも小さな信用金庫さんや信用組合さんのほうが、ご相談にのっていただきやすい可能性が高いです。

金融機関で口座開設する際に、提出すべき書類等はどのようなものですか?

各金融機関によって、求められる書類は異なりますが、おおむね次の資料の提出が求められることが多いようです。

必ず提出を求められるもの
① 定款
② 実質的支配者の申告書兼認証証明書
 *会社の株を持っている方が反社会的勢力に該当していないかを確認するために、提出が求められることになっています。
③ 会社の履歴事項全部証明書
 *通称「会社謄本(かいしゃとうほん)」または、単に「謄本(とうほん)」と呼びます。
④ 会社の印鑑証明書
⑤ 会社実印
 *「法人実印」ともいいます。
⑥ 銀行届出印
⑦ 代表取締役の個人の印鑑証明書や運転免許証等の本人確認資料

任意で提出を求められるもの
⑧ 会社の事業内容等がわかるもの(事業計画書や名刺、パンフレットなど)
⑨ 事業に関する確定申告書(過年度のもの)
 *以前からフリーランスとして行っていた事業を法人化する場合には、必要となります。
⑩ 会社が行う事業について許可や資格が必要な場合には、それを証する書面
(保健所が発行する営業許可証や、各種資格試験の合格証や登録証など)

*①~⑥に関しては、登記完了後の書類一式等として、まとめて弊所からお渡しいたします。

事業年度ってなんですか?決算となにか関係があるのですか?

 事業年度とは、会社がお金の計算をする期間のことです。これは、会社が1年間でどれくらいお金を稼いだか、どれくらい使ったかを確認するために儲けられた期間です。
 例えば、あなたが貯金箱にお小遣いを貯めているとしましょう。1年間でいくら貯まったか知りたいですよね。そのために、「今年の1月1日から12月31日までに貯まったお金」と決めて数えます。これと同じように、会社も「この日からこの日まで」と期間を決めて、お金の計算をします。
 事業年度が終わると、会社はその期間にいくらお金を稼いだか、いくら使ったか、そしていくら残っているかを計算します。これを「決算」と呼びます。決算をすることで、会社がうまくいっているかどうかがわかるんです。大切なのは、会社が決めた事業年度の終わりに、きちんとお金の計算をすることです。
 なお、個人事業主の場合は、必ず12月決算となるのに対し、会社の場合は、この決算を自由に決められます。多くの会社は4月1日から翌年の3月31日までの1年間を事業年度としています。(この期間を事業年度としている会社のことを3月決算の会社といいます)。
 これに対して、1月1日から12月31日までにしている会社もあります。(この期間を事業年度としている会社を12月決算の会社といいます)。
 つまり、決算とは、お小遣い帳をつけて、定期的に計算するのと同じようなものです。このように、事業年度は会社がお金の管理をするための大切な期間です。

事業年度と決算の関係についてはわかりました。では、何月決算にするのが一番良いのですか?

上記の通り、会社は何月決算かを自由に選べるため、いつに設定するかにお悩みをお持ちになるお客様も多いです。そこで、次のような視点で決算月を設定することをアドバイスしています。

・1期目ができるだけ長くとれるように設定する
 仮に、12月1日設立で3月決算とすると、1期目は12月1日~3月31日までの約4ヶ月しかなくなります。
 そこで、上記の場合、11月決算とすると、1期目は12月1日~11月30日までの丸1年となります。
 決算を迎える度に、決算対応業務と税理士さんへの決算申告手数料がかかることが多いため、なるだけ1期目を長くとるニーズが多いため、次のように、設立日が属する月の前の月を決算月とすることをオススメすることが多いです。

・節税視点で設定する
 繁忙期前を決算月とすると、期首から売上が立つことことになるため、そのあとどのぐらい経費を使ってどのような事業計画にするか見通しが立てやすくなるため、資金管理を最適化することができます。

・決算業務がなるだけ通常業務の負担にならないように設定する
 閑散期を決算月とすることで、棚卸しに楽に対応することができ、余裕をもって次年度の予算をたてられます。

会社を何日に設立するかによって税金がかわると聞いたのですが、それは本当ですか?本当ならば、いつ設立すると税金が変わるのですか?また、それはなぜですか?

会社には、存在するだけでかかる法人住民税の均等割という税金があります。この税金については、利益がでていない場合でも、最低年額7万円かかります。なお、まるまる1年間の営業期間が存在しない設立初年度については、法人住民税の金額は、その年額を12で割り、事業所を有していた月数(1ヶ月未満は切り捨て)をかけて算出されます。

法人住民税の均等割の金額(初年度) = 均等割の年額 ÷ 12 × 事業所を有していた月数

この計算にあたっては、上記のとおり、1ヶ月未満は切り捨てるとされているところ、1日に設立すると丸々1ヶ月あるので設立月が切り捨てされませんが、2日以降の設立だと1ヶ月未満なので切り捨てられます。結果的に、1日以外に設立すると、1日に設立した場合に比べて、約5,800円~5,900円(70,000円÷12)法人住民税の均等割が安くなります

株式会社の設立登記についてだけでなく、その後の運営についても詳しく知りたいです。オススメの書籍などはありますか?

こちらの書籍をオススメいたします。著書は司法書士なので、その内容の正確性は非常に高く信頼できます。

行政書士さんも会社設立ができるって聞いたけど、司法書士さんと何が違うのですか?

行政書士さんは、法律上、定款の認証までしかその業務を行うことは認められていません。つまり、行政書士さんにお願いしても法人化の全ての手続がそこで完結することはありえない。ということです。

司法書士は定款の認証だけでなく、登記申請まで一貫してサポートさせていただくことが可能です。どうせ、法人化するならば「会社の登記のプロ」にお願いしてみませんか?

会社の登記への思い

会社に関する登記に関わる法律である「会社法・商業登記法」が試験科目となっている試験は司法書士試験だけです(なんと、あの司法試験にも商業登記法は試験科目にありません)。つまり、司法書士は国が認めた「会社の登記のプロ」ということなのです。

わたしは、「会社の登記のプロ」として、多くの起業家の皆様の力になりたいと思っています。開業した今、わたし自身、事業を始めるにあたっては、考えるべきこと・やるべきことがとてつもなく多いことを実感しております。

そのような多忙な起業家の方が、本業ではなく、また、これからの事業になんの関係もない登記に関する手続について、不確かな情報ばかりのインターネットの海の中から情報を探し出してご自身で作業されることにどれほどの価値があるでしょうか。面倒でわかりにくい手続は、全て当事務所におまかせください。

また、創業当初から信頼できる専門家とつながっておくことで事業に専念できるような体制を構築しておくことは目に見えない大きなメリットがあります。時代の流れの速い現代では、「アウトソーシングできることはアウトソーシングして非代替性の高いことに注力していく」。これからの時代を考えると、本業に関係ないことに時間を割いている時間はないというのが実情であるとも感じます。ぜひ皆様の事業の成長、発展に登記という側面からお力添えできる機会をいただけますと幸いです。

最後に、事務所のある近畿圏のみならず、修行時代お世話になった奄美大島をはじめとする奄美群島(奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島)や、自分の生まれ故郷である高知県のお客様の力になりたいという思いも、非常に強いです。地方部では、なかなか自分と年齢が近く、感覚がマッチする司法書士と繋がれないという起業家の方もいらっしゃるかと思います。そういった方への法人化をキッカケとする様々なサポートにも力をいれていきたいと考えております。


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