登記の完全オンライン申請とは

目次

完全オンライン申請の概要

完全オンライン申請とは、登記申請の際に法務局に提出する添付書類の全てを、電子署名したPDFデータとすることにより、従来の登記申請方法に比べて、よりスムーズかつスピーディーに登記手続を行う方法です。
以下、その特徴や流れ、メリットなどについて述べていきます。

完全オンライン申請の3つの特徴

  • いつどこからでも電子署名が可能
  • 電子署名はスマホで完結
  • 司法書士との書類の郵送のやりとりなし

完全オンライン申請の手順

ところで、完全オンライン申請を行うためには、どのように手続きを進めていくことになるのでしょうか。
手続きの概要、要件、完了までの流れなどをそれぞれ説明します。

STEP
事前準備

当方にて、各種議事録や登記委任状など電子署名いただく書類のPDFデータを作成します。

STEP
データ送信先の確認

署名の際の2段階認証に使用する「お客様のメールアドレス」と「電話番号」の情報をご提供いただきます。

STEP
電子署名データの送信

作成したPDFデータを、こちらのソフトにて、当方からお客様へ申請します。

STEP
データ受信の通知

上記でご提供いただいたメールアドレスへ電子署名依頼のメールが届きます。

STEP
データへの電子署名

お客様にて、スマホのアプリにて電子署名をしていただきます。詳細については、下記をご覧下さい。

STEP
電子署名データの受信

お客様の電子署名がされたデータが当方に届きます。

STEP
登記申請

電子署名が施されたデータを添付して、当方にて法務局へ申請データを送信します。

スマホからの電子署名が可能ですので、スマホのみで手続が完結します!

完全オンライン申請のメリット

  • 時間と場所の制約がない:マイナンバーカードでの署名が可能な限り、海外からでも署名が可能
  • 手続の迅速化:書類の郵送や持参が不要で、処理時間が短縮
  • ペーパーレス:電子書類が原本となり、保管しやすい。紙での管理から解放される。
  • 登記完了の迅速化:法務局との書類のやりとりがなくなるので、登記完了が早くなる。    

当事務所の解決事例

当事務所では、完全オンライン申請を用いることにより、様々なお客様の問題解決をしてきました。

事例1「法人実印を会社の営業所と異なる場所に保管していたケース」

リモートワークで事業をされているお客様。今までのように登記申請にあたり、法人実印の押印が必要であれば、他府県にある本店まで行って、法人実印をとりに行かなければならないとおっしゃっていました。そこで、わたくしから、完全オンライン申請での手続をご提案。それならばムダな移動なく手続が進められると知り、提案をご快諾いただきました。その後、オンライン申請手続は滞りなく進み、お客様は法人実印を他府県まで取りにいく手間なく、登記手続は何の問題もなく完了しました。完全オンライン申請を初体験のお客様でしたので、こんなに簡単に登記申請手続を完了できるのか、と驚くとともに、大変喜んでいらっしゃいました。

事例2「代表取締役が仕事で海外を転々としているケース」

法務部の方からお仕事の依頼があったお客様。いままで登記申請手続には、社長が管理している法人実印を押して対応していたところ、直近、社長は海外出張が続いており、なかなか法人実印を押すことが難しいというお話でした。そこで、スマホ完結での完全オンライン申請手続をご提案したところ、ご快諾いただきました。わたくしが電子データにて作成した登記関係書類を社長にてご確認いただき、海外からスマホにて電子署名。そのデータを用いて登記申請。という形で、問題なく登記手続が完了しました。
今まで、社長しか法人実印を押せないために、登記手続の際には、かなりの手間がかかっていたということ。これからは可能な限り全て、完全オンラインでの対応をしたいというご感想をいただきました。

注意点

  • 関係者全員が電子署名用の証明書(公的個人認証サービス電子証明書など)をもっているが必要
    *マイナンバーカードを持っていれば足ります
  • 代表取締役や取締役など関係者全てが電子署名ソフトでの署名に対応している必要がある。
    *このため上場企業や大企業のような関係者の数が多い場合などには、完全オンライン申請での対応が難しいことがあります
  • 電子署名ソフトの操作に対応する必要がある。(詳細については下記をご覧ください。)

よくある質問

どんな会社が完全オンライン申請にむいていますか?

特に一人会社において使用されることをオススメしております。一人会社の場合であれば、その代表者のみがマイナンバーカードによる署名に対応できれば足り、関係者全員が電子署名で対応するということのハードルがさがるからです。

どのようなケースが完全オンライン申請できないのですか?

理論上は、完全オンライン申請で対応できない登記手続はありません。しかし、弊所では、「設立登記」や「商号(会社の社名)変更登記」及び「管轄外への本店移転登記」などの印鑑届出や印鑑カード交付申請がともなう登記申請の際には、完全オンライン申請での対応を非推奨していおります。上記のような登記の場合、印鑑届出書や印鑑カード交付申請書に法人実印を押す必要があるところ、マイナンバーカードで電子署名するのみでは、その登録すべき印影データを法務局に届け出ることができないためです。
PDFデータに印影データを作って添付すれば完全オンラインで手続を行うことも可能ですが、その後の運用で問題が生じる可能性があります。

終わりに

完全オンライン申請は、登記申請にかかるお客様の手間を劇的に減らします。登記関係書類の対応などにムダな時間をかけたくないお客様にとって非常に有用なシステムです。ただし、電子署名の流れの理解や専用ソフトの使用など、今までと異なる新たなものへの適応が必要となります。そのため、それに対応・精通した司法書士とともに利用する必要があります。
弊所では、完全オンライン申請にて数十件の登記手続を完了している実績があります。完全オンライン申請を体験されたいお客様は、ぜひ弊所までお問い合わせください。


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この記事を書いた人

石本 憲史のアバター 石本 憲史 司法書士・スタートアップデザイナー®

大阪司法書士会東支部 所属(第4973号)
簡易裁判所訴訟代理権等能力認定(第1201092号)

●所属団体
BAMBOO INCUBATOR、smartroundパートナー

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